
2005年10月
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タックスヘイブン対策税制に関する考察
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本稿は、AZ Insight(2005.10 Vol.11)より転載したものです。
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日系企業の活動がグローバル化するなか、海外子会社の活動については、原則として日本の法人税法は無関係ですが、その例外として、子会社による租税回避行為を規制するタックスヘイブン対策税制があります。海外の同様の税制に関して、「このような税制は、意図的に多極的な解釈が採用できるように曖昧に立法されている。なぜならば、そのような税制により納税者の租税回避を牽制することができるからである」というようなコメントがされることがあります。日本のタックスヘイブン対策税制については、このような意図が立法者にあったとは思えませんが、日系企業の活動がグローバル化し、ますます複雑になっている状況においては、多数の問題点あるいは不明確な点が生じてきています。本稿では、日本のタックスヘイブン対策税制について概説した後、問題点、解釈が不明確な論点を解説します。
I.タックスヘイブン対策税制の概要
1.制度の概要
タックスヘイブン対策税制上、内国法人等が一定割合を直接または間接に保有する外国法人(外国関係会社)で、その本店または主たる事務所の所在する国または地域(以下、「本店所在地国」という)における租税負担割合が25%以下となるものを特定外国子会社等といいます(図表1参照)。当該制度は、その株主である内国法人等がその外国子会社の留保所得に各持分割合を乗じた金額につき、その内国法人の収益とみなして、合算課税を受ける制度をいいます(租税特別措置法第66条の6第1項・2項、同施行令第39条の14第1項)。なお、小額の持分を保有するにすぎない株主等(発行済株式等のうち直接・間接に占める割合が5%未満である内国法人等)については、合算課税の対象外とされています(租税特別措置法第66条の6第1項)。
図表1 ■ 外国法人・外国関係会社・特定外国子会社等
特定外国子会社等に該当するかどうかの判定は、以下の計算式により、毎期行います(租税特別措置法施行令第39条の14)。
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このほか、本店所在地国の法令上損金算入される配当、法人税等も分母に加算します。なお、本店所在地国の法令により、外国子会社が一定持分割合以上を保有していることを条件として、外国子会社が受ける外国孫会社からの配当が非課税とされる場合のその非課税受取配当金については、上記非課税所得には含まれません。
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2.タックスヘイブン対策税制の適用除外
タックスヘイブン対策税制は、企業の合理的な海外投資活動を阻害するものではありません。特定外国子会社等が実体ある事業を行っており、その本店所在地国において事業を行う経済的合理性があると認められる場合には、タックスヘイブン対策税制の適用はありません。具体的には、特定外国子会社等が以下のすべての要件を満たす場合に、適用除外となります(租税特別措置法第66条の6第3項・4項、同施行令第39条の17第2項)。
(1) |
事業基準 |
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株式もしくは債券の保有、工業所有権もしくは著作権等の提供または船舶もしくは航空機の貸付を主たる事業としないこと。
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(2) |
実体基準 |
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その本店所在地国において、その主たる事業を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有すること。
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(3) |
管理支配基準 |
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その事業の管理、支配および運営を自ら行っているものであること。
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(4) |
非関連者基準または所在地国基準
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i. |
非関連者基準 |
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その行う主たる事業が、卸売業、銀行業、信託業、証券業、保険業、水運業または航空運送業である場合には、主たる取引(業種により異なる。たとえば卸売業の場合は売上または仕入取引)の50%超が非関連者との間で行われていること。
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ii. |
所在地国基準 |
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その行う主たる事業が、i.以外のものである場合には、その事業が主として本店所在地国において行われていること。 |
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