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ニューズレター(税務関連)

2005年2月
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組織再編税制

本稿は、AZ Insight(2005.2 Vol.7)より転載したものです。


平成13年度の税制改正により導入された組織再編税制について、改めてその内容を整理し、留意点を紹介するとともに、組織再編税制に関する今後の動向をお知らせします。


I.はじめに

平成13年度の税制改正により組織再編税制が導入され、4年が経過しようとしています。分割型の解禁、税制適格要件を満たす場合の譲渡益課税の繰延べなどを実現した会社分割制度(組織再編税制)は、きわめて複雑かつ難解な制度であったため、導入当初は多少の混乱もみられましたが、現在では多くの企業が組織再編税制を利用した企業再編、企業買収、企業再生等を実行しています。

今回は、組織再編税制の内容を改めて整理し、その留意点を紹介するとともに、組織再編税制に関する今後の動向をお知らせしたいと思います。


II.組織再編税制の概要

1.移転資産等の譲渡損益に関する税務上の取扱い

(1)非適格組織再編(原則)= 譲渡損益を認識

法人が、分割、合併、現物出資または事後設立(以下、組織再編)により、その有する資産および負債(以下、資産等)を他の法人に移転した場合には、その資産等を時価で移転したものとして、譲渡損益を認識することとなります。

(2)適格組織再編(特例)= 譲渡損益の認識を繰り延べ

適格要件を満たす組織再編(適格分割、適格合併、適格現物出資または適格事後設立)に該当する場合には、資産等を帳簿価額で移転したものとして、譲渡損益の認識を繰り延べることとなります。

2.適格組織再編の要件

適格組織再編には、企業グループ内の組織再編と共同事業を営むための組織再編があります。適格組織再編の要件は図表1のとおりです。

図表1■ 適格組織再編の要件

区分

企業グループ内

共同事業

100%の持分関係

50%超100%未満の持分関係

適格合併

(1)

株式以外の資産が交付されない

(2)

組織再編前の持分関係の継続の見込み

(1)

株式以外の資産が交付されない

(2)

組織再編前の持分関係の継続の見込み

(3)

主要な資産等の引継ぎ(*2)

(4)

80%以上の従業者の引継ぎの見込み

(5)

事業の継続の見込み

(1)

株式以外の資産が交付されない

(2)

事業が相互に関連

(3)

規模要件または役員引継要件(*3)

(4)

主要な資産等の引継ぎ(*2)

(5)

80%以上の従業者の引継ぎの見込み

(6)

事業の継続の見込み

(7)

株式等の継続保有の見込み(*4)

適格分割(*1)

適格現物出資

適格事後設立

(1)

事後設立法人が設立時から被事後設立法人の株式の100%を保有

(2)

100%の持分関係の継続の見込み

(3)

資産等の移転が設立から6ヶ月以内に実行

(4)

資産等の譲渡の対価の額が被事後設立法人の資本等の金額とおおむね同額

*1

分割型分割の場合には、分割法人の株主の持分割合に応じて株式が交付されるものに限る。

*2

合併の場合、商法上被合併法人がすべての資産等を引き継ぐため、この要件は規定されていない。

*3

売上金額、従業者の数、これらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと。または当事会社双方の一定の役員が特定役員(常務以上の役員)となることが見込まれていること。

*4

被合併法人または分割型分割に係る分割法人の株主等の数が50人以上である場合には、この要件は課されていない。



III.組織再編税制の留意点

1.被合併法人等の青色繰越欠損金の引継制限

適格合併または合併類似適格分割型分割(以下、適格合併等)が行われた場合、原則として被合併法人または分割法人(以下、被合併法人等)の適格合併等の日前5年以内に開始した青色申告書を提出した事業年度において生じた繰越欠損金(以下、青色繰越欠損金)を、合併法人または分割承継法人(以下、合併法人等)に引き継ぐことができます。

青色繰越欠損金の引継制限のポイント

  • グループ化後5年を経過しているか?
  • みなし共同事業要件は?
  • 被合併法人等のグループ化直前期末の財産状態は?

ただし、企業グループ内の適格合併等が行われ、かつ、グループ化(50%超の持分関係)が適格合併等の日の属する事業年度開始の日の5年前の日以後に生じている場合において、みなし共同事業要件(*5)を満たさないときは、被合併法人等の適格合併等の日前5年以内に開始した事業年度において生じた青色繰越欠損金の金額の全部または一部が、合併法人等に引き継がれないこととなる場合があります。

*5

みなし共同事業要件は、共同事業を営むための適格組織再編の要件の一部と、被合併等事業と合併等事業がグループ化時から適格合併等の時まで継続して営まれており、かつ、その事業規模の変動がおおむね2倍を超えないことが要件となっています。


2.合併法人等の青色繰越欠損金の使用制限

企業グループ内の適格組織再編が行われ、かつ、グループ化が適格組織再編の日の属する事業年度開始の日の5年前の日以後に生じている場合において、みなし共同事業要件を満たさないときは、合併法人、分割承継法人および被現物出資法人の適格組織再編の日の属する事業年度開始の日の前5年以内に開始した事業年度において生じた青色繰越欠損金の金額の全部または一部を、繰越控除することができないこととなる場合があります。

青色繰越欠損金の使用制限のポイント

  • グループ化後5年を経過しているか?
  • みなし共同事業要件は?
  • 合併法人、分割承継法人、被現物出資法人のグループ化直前期末の財産状態は?



3.DESによる青色繰越欠損金の使用制限

デット・エクイティ・スワップ(以下、DES)は経営不振企業を再生する際に広く用いられています。DESは債権者が債権を現物で出資し、株式を引き受けることとなるため、現物出資に該当します。したがって、DESを100%子会社に実施する場合、適格現物出資となります。

100%親子会社におけるDESを前出2に当てはめた場合、債権の現物出資であるため、みなし共同事業要件を満たすことは考えられませんので、DESが行われた日の属する事業年度開始の日の5年前の日以後にグループ化が生じている場合には、DESを受けた子会社(被現物出資法人)の有する青色繰越欠損金が繰越控除することができないこととなる場合があります。

DESのポイント

  • 100%親子会社か?
  • 子会社は青色繰越欠損金を有しているか?



4.特定資産譲渡等損失

企業グループ内でみなし共同事業要件を満たさない適格組織再編が行われた場合において、グループ化が適格組織再編の日の属する事業年度開始の日の5年前の日以後に生じているときは、合併法人、分割承継法人および被現物出資法人(以下、合併法人等)の適用期間(*6) において生ずる特定資産譲渡等損失額(*7)の全部または一部が、合併法人等の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されないこととなる場合があります。

特定資産譲渡等損失のポイント

  • 特定資産の譲渡までに再編後3年またはグループ化後5年の短い方を経過しているか?
  • みなし共同事業要件は?
  • グループ化直前期末の財産状態は?

*6

適用期間とは、適格組織再編の日の属する事業年度開始の日から同日以後3年を経過するまでの期間または、グループ化後5年を経過する日までの期間のいずれか早くに終了する期間をいいます。

*7

特定資産譲渡等損失額は次に掲げる金額の合計額をいいます。



5.被合併法人の役員退職給与の損金算入

合併に際し退職した被合併法人の役員に支給する退職給与の額が、合併承認総会において確定されない場合において、被合併法人が退職給与として支給すべき金額を合理的に計算し、合併の日の前日の属する事業年度において未払金として損金経理したときは、これが認められます。

この取扱いは、被合併法人の役員と合併法人の役員を兼ねている者、または被合併法人の役員から合併法人の役員となった者に対し、合併により支給する退職給与についても準用することとされています。

6.非適格組織再編の場合における株主の税務

(1)みなし配当

非適格合併または非適格分割型分割の場合、みなし配当が生じる可能性があります。みなし配当が生じる場合には、合併法人または分割承継法人で源泉徴収義務が生じることとなります。

(2)株式譲渡損益

合併または分割型分割により、被合併法人または分割法人の株主が株式以外の資産の交付を受けた場合には、交付を受けた資産の価額からみなし配当の額を控除した金額を、被合併法人または分割法人の株式の譲渡対価として、譲渡損益を計算します。

7.連結納税適用時の組織再編税制

連結納税を適用している連結法人が組織再編を行った場合においても、組織再編税制については、単体納税における場合と基本的に変わりはありません。しかしながら、連結グループへの加入や離脱、譲渡損益の繰延べ等の連結納税特有の事象が生ずることに留意する必要があります。

8.包括的租税回避防止規定

組織再編に関して、予想もされない租税回避行為が行われることが考えられるため、包括的租税回避防止規定が定められています。

税務署長は、組織再編により資産等を移転する法人、その資産等を受け入れる法人、またはこれらの法人の株主である法人の法人税につき、その行為または計算でこれを容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為または計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人税の額等を計算することができるとされています。同様の規定が所得税法および相続税法にもみられます。

(1)

合併法人等が適格組織再編により移転を受けた資産で被合併法人等がグループ化前から有していた一定のものの譲渡等による損失の額の合計額から譲渡等による利益の額の合計額を控除した金額

(2)

合併法人等がグループ化前から有していた一定の資産の譲渡等による損失の額の合計額から、譲渡等による利益の額の合計額を控除した金額

 

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