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ニューズレター(フィナンシャル関連)


リストラクチャリング

2006年8月
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会社法施行および平成18年度税制改正に伴う事業再編・再生実務への影響

本稿は、KPMG FAS Newsletter Vol.11(2006/8)より転載したものです。


企業統治の実効性の確保、資金調達手段の多様化、企業活動の国際化といった視点から、平成14年9月より、旧商法の抜本的改正を目指した改正案作りが着手され、平成17年6月の通常国会にて可決・成立し、同年7月に公布、そして、平成18年5月1日に会社法が施行されました。また、平成18年度の税制改正も行われ、新しい会社法ならびに税制のもとで、企業再生・再編実務も少なからず影響をうけるため、今後の実務において注意すべき点をいくつかのポイント毎に整理してみたいと思います。


I.合併差損等の生じる再編の許容

(1)

旧商法下での規制

 

組織再編行為に際し、存続会社において差損等が生じる場合、旧商法の下では、そのままでは当該行為を行うことはできませんでした。これは、合併等の場合において、合併存続会社が、合併消滅会社から承継する簿価純資産がマイナスとなっている場合、そのままでは、資本充実原則に反することとなるためです。このため、実務上は、承継する個別資産の含み益を実現させたり、「のれん」として営業権を認識することにより債務超過を解消した上で、当該組織再編行為を成立させることが行われていました。

(2)

会社法での取り扱い

 

会社法では、上記のような帳簿上の債務超過会社を消滅会社とする合併等においても一定の手続きを経ることにより、組織再編を可能とすべく、新たに規定を設けました。会社法では以下の場合においても、株主総会における特別決議を経ることにより組織再編行為をすることができます。

  1. 組織再編行為により存続会社が承継する負債の簿価が資産の簿価を超える場合
  2. 組織再編行為に際して交付する対価の存続会社における簿価がその組織再編行為により承継する純資産額を超える場合

したがって、会社法の下では、従来にもまして経営難の企業に対する買収・再編や子会社を救済する合併なども行いやすくなると考えられます。

ただ、この様な場合には、簡易組織再編の要件を満たす場合であっても、株主総会の特別決議を経ることが必要となります。

(3)

会計上の取り扱い

 

従来は、組織再編行為に関する会計処理基準が未整備で、実務上、商法の時価以下主義の考え方に基づく処理が行われていたため、会計上は柔軟な対応が可能でした。しかしながら、商法の現代化の流れに呼応する形で企業結合会計基準が導入されることとなり、組織再編行為に関する会計処理は、パーチェス法か持分プーリング法またはこれに準じた方法のいずれかによるものとされ、従来のように比較的柔軟なのれんの計上や資産の評価替えはできなくなりました。

組織再編において差損が生じる場合、当該差損は資本の部の計数(資本金、準備金、剰余金)の減少として処理されることとなります。

図表1■(2)- 1.のケース、(2)- 2.のケース

実質債務超過会社を消滅会社とする合併や実質債務超過の事業部門の吸収分割が可能か否かについては、会社法においても直接これに関する規定が整備されているわけではないため、従来と同様の解釈とされています。

ただ、実質債務超過であること自体を理由に即、合併が認められないということはなく、実質債務超過額を上回る何か(シナジー等)があることを理由に、会社法上の手続きを経て、株主および債権者の同意を得られたのであれば、あえてそれを否定する必要はないという考え方もあるようです。

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