電子記録債権法

■電子記録債権法とは

電子記録債権法は、2007年6月20日の参議院本会議で可決・成立し、6月27日付で公布されました。この法律の目的は「事業者の資金調達の円滑化等を図るため、磁気ディスク等をもって電子債権記録機関が作成する記録原簿への電子記録を債権の発生、譲渡等の効力要件とする電子記録債権について規定するとともに、電子債権記録機関に対する監督等について必要な事項を定めることにより、電子記録債権制度を創設する。」(法務省ウェブサイト)となっています。施行期日は、公布の日(2007年6月27日)から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日とされています。

■電子記録債権とは

電子記録債権とは、磁気ディスク等をもって電子債権記録機関が作成する記録原簿に電子記録をすることによってはじめてその発生、譲渡等が行われることとなる金銭債権をいいます。基本的なイメージは以下の図のとおりです。手形や売掛債権、貸付債権など金額が確定した金銭債権はすべて電子化の対象となります。

電子記録債権の基本的イメージ
電子記録債権の基本的イメージ

出所:金融庁Websiteに基づき作成

■電子記録債権制度創設の背景

従来の資金調達手段における問題点

  1. 手形の場合
    作成や交付、保管にコストがかかる上、盗難や紛失といったリスクあり。
    →手形の利用は減少傾向
  2. 売掛債権の場合
    通常の債権譲渡の方法では本当に債権が存在するのかどうかを確認するコストがかかる上、同一の債権が二重に譲渡されるリスクあり。
    →流動性に乏しく、早期資金化が困難

手形・売掛債権等を有する事業者の資金調達の円滑化等を図ることが必要となったため、電子的な記録によって権利の内容を定め、取引の安全・流動性の確保と利用者保護の要請に応えるために創設されました。

■電子記録債権の取引の安全を確保するための仕組み
 (法務省ウェブサイト / 改正法Q&A)

  1. 「権利者として記録原簿に記録されている者が無権利者であっても、そのことを知らずに電子記録債権を譲り受けた者や、支払をしてしまった者を保護する機能」
  2. 「債務者は、原則として、電子記録債権を譲り受けた者に対し、記録原簿に記録されていない事由を理由に支払を拒むことが出来ないという機能」
  3. 「電子債権記録機関は、原則として、不実の記録がされた場合における損害賠償責任を負うという機能」等が本制度上、設けられています。

■電子債権記録機関とは

主務大臣(法務大臣及び内閣総理大臣)の指定を受けた財産的基盤や適切な業務遂行能力を有する株式会社で、公平性・中立性の確保等の観点から金融機関などの兼業は禁止されています。電子債権記録機関は金融庁による検査・監督を受けます。